先日、中高時代の友人が急逝したので彼女の『 葬儀 』に参列してきました。
確か彼女は私同様、「おひとりさま」だったはず・・・。
しかし、ふたを開けてみたらいろんな事情が見え隠れしていました。
彼女の葬儀への参列を通してリアルに感じた「おひとりさまの葬儀」。
お墓の準備は出来ていても、葬儀については全く何も準備できていないことに今回改めて気づかされました。
終活のひとつとして、今のうちに「おひとりさまの葬儀」について調べて置く必要がありそうです。
独身・一人っ子。天涯孤独な友人の葬儀に参列してきました
今年のお正月が明けてすぐの頃。
私は年末がとても忙しく、年賀状が出せなかったので寒中見舞いをどうしようか、と悩んでいた矢先でした。
幼馴染から一本のショートメールが届き、そこには共通の友人の急逝の知らせが。
大慌てで同窓の仲間に知らせるべく、葬儀の情報を改めてその幼馴染に確認しました。
「メール送っておいたよ」
急ぎメールを確認すると・・・
???????
そこに表記されていた言葉は、私の想像を超えており、一瞬誰が亡くなったのか分からない程混乱しました。
その中身とは・・・
『 葬儀 』の連絡に謎…。離婚していたはずなのに結婚当時の苗字!しかも喪主は元配偶者!なぜ???
幼馴染から連絡が来た時、私はKちゃんと最後に会ったのはいつだったかを思い起こしていました。
それはちょうど5年前、私が今の仕事に就く直前のことでした。
それまでは何度も会ってお食事をしたり、コンサートに行ったり、と頻繁に会う機会があったのですが、私が今の職場へ転職をしてから忙しくなりすぎて、なかなかKちゃんと会う機会が無く気になっておりました。
今年になってようやく落ち着いてきたので
(そろそろKちゃんに連絡しようかな~♪)
と本当に思っていた時でしたので、訃報を聞いた時には一瞬何が起こったか全くわかりませんでした。
幼馴染によると、一年前から病気で仕事を休業し(幼馴染の同僚)、半年前には「もう戻れそうもないので」という理由で自ら退職していた、と。
恐らく重い病だったのでしょう。
しかしながら、彼女はそのことを一切私達に知らせていませんでした。聞けば、同僚の人達にも詳しい病名は伝えていなかった、とのことで、幼馴染も「病気としか聞いてなくて・・・」と残念がっておりました。
周りに心配をかけたくない、との一心で病名や闘病の事実すら隠していた彼女。
では、彼女の死をどうやって幼馴染は知ったのでしょう?
「旦那さんが知らせに来てくれたんだよね」
・・・えっ?!(。´・ω・)?
Kちゃん、結婚してたけど、離婚してたよね?
「うん、私も会社でもみんなそう思ってたんだけど。そのはずだったんだけど。もしかしたら闘病中により戻したのかもね」
・・・・・・・・・・まじか。
Kちゃんは元々ひとりっこ。若い頃にお父様が病死されていたので、長らく母一人子一人の状態でした。
お母様と仲良くしていた・・・のではなく、学生時代はお母様の呪縛に悩まされ、「良い子」を演じていた、と生前の彼女に聞いた事があります。お母様の思う通りの娘でいる事が自分に課せられた使命なのだと思い込んでいた、と。
そんな母親の愛にがんじがらめになっていた娘も大人になり、やがてお母様も病気で亡くなってしまいます
普通は、たったひとりの家族、しかも母親が亡くなってしまうのですから、その寂しさ・哀しさは尋常でないと思うはずなのですが、Kちゃんの場合「解放された!自分の人生がここから始まる!」と嬉しかったそうです。
まぁ「嬉しかった」というのは、身内話の照れ隠しだったかとは思いますが、「解放された」という気持ちは本当だったようで、実際お母様の死後、彼女はそれまで抑え込んでいた好奇心や行動力を爆発させ、色々な事を始めます。
- 法律事務所に勤めながら週末を利用してアロマの資格を取る
- 週末にアロマのイベントをあちこちで催す
- ジャズボーカルを習う
- ジャズボーカルを習う現場でご主人(元?)と知り合い、結婚する
- アロマのイベントで若い芸術家と知り合う
- お母様が亡くなり、お母様の名義だったお祖母様の家に移り住む
- その家に、若い芸術家が転がり込む
- 離婚する
↑私がKちゃんから聞いていた話はここまででした。この間わずか数年・・・。
Kちゃんの葬儀の際に喪主の方が「生き急いだ人生だった」と仰っておられたように、彼女の人生はあまりにも短く、あまりにも短期間に凝縮された人生だったように思います。
「離婚していたはず」なのに「元夫が喪主」の「答え合わせ」
で、離婚していたはず、という話ですが(;^_^A。
若い彼氏が出来たし、結婚も今思えばそんなに好きでない相手だったから、という理由で離婚した、という事実を聞かされていました。
実際、離婚問題で揉めていたはずの時期も一緒にいましたが、独身の私に気を遣っていたのか、そんなに信用されていなかったのか(笑)、その事実は一切ほのめかされてもいませんでした。いつも突然。
でも、お母様が亡くなった話をしていた時と同様、離婚によって再び「解放された」とのことだったので、ご主人の事を少し知っていた私は少々残念でしたが、彼女の明るい未来を信じることに。
その後も更に活動的に仕事や恋や趣味に没頭している様子だったので、多忙のあまり会えなくなってきた頃でも、SNSで彼女の活躍ぶりはチェックしていました。
しかしながら、実際は「人妻」として天国に旅だったKちゃん。
最後に勤めていた会社の同僚も知らない、病に倒れてからのここ数年。
一体彼女に何があったのでしょうか。謎は深まるばかりです。
ここからは私の勝手な想像ですが。
恐らくKちゃんが余命幾ばくもない状況になったタイミングで、以下のいずれかが生じたかと。
- ご主人様の方から「最期くらい任せて」と持ち掛けられた
- 律儀なKちゃんの性格上、きっちり終活をして「後始末」を終えてからの旅立ちをする為にあえて元ご主人とよりを戻して、自分の最期についてお願いした。
マジメなKちゃんの性格上、「孤独死」で他人に迷惑をかけたまま亡くなる、という事は一番避けたかったはず。
自分が住んでいた家の整理や、亡くなったことを知らせる手段等、天国へ旅立つ為にしなければならない事はたくさんあります。Kちゃんはその「最後の大仕事」をきっちとり完了するために、離婚した元ご主人に最後のお願いをした、と考えると、今回の謎は解決できます。
あっさりとした『 葬儀 』。「ひとりで死ぬ」とはこういうことか
Kちゃんの葬儀は、通夜・告別式とも、以前ご主人と住んでいた下町エリアでした。
彼女の実家は埼玉県、離婚後住んでいた、お祖母様から譲り受けた家は神楽坂でしたので、やはり喪主であるご主人主導、という事が分かります。
仕事でお通夜には参列できなかったので、休みを取って高校時代の友達と3人でお葬式に参列しました。
お通夜にどれくらいの人数が来たのかは不明ですが、翌日昼間の葬儀は焼き場のある葬儀場付属のとても小さな会場で、とてもシンプルなものでした。
ご両親も既に他界していてひとりっこだったKちゃんなので、ご主人のご家族と思われる方が数名と、Kちゃんのイトコさんと思われるからが2名ほどいらっしゃっただけ。
平日昼間、しかも都心から結構離れた場所での葬儀だったせいもあり、お身内以外に参列していたのは、我々3名以外に、ジャズボーカルの先生らしき男性(ジャズスクールからのお花もあり、風貌がいかにもミュージシャンだった)、私の幼馴染とその同僚(法律事務所同僚)他数名で、とてもとてもこじんまりとしたお式でした。
しかも、大泣きしているのは私と幼馴染くらいで、他の方は淡々とされていて・・・。
この年で亡くなる、という事はあまりにも早すぎますし、通常ならもっと大勢の人が来て、家族も友人もみんな涙を流して・・・・というのが想像に難くない風景のはずでしたが、目の前の景色は想像とは全くの別物でした。元?ご主人の喪主の方は元々淡々とした方なのかもしれませんが、妻が亡くなった割には非常に事務的に物事をこなしておられるようにお見受けして、なんだか自分が観ているのは現実ではなく映像かなにか、かとさえ思えたほどでした。
ひとつだけ。
葬儀の最後に棺の中をお花で埋める作業をしていた際に予想外の光景が。
ご主人がポケットからアロマオイル(オレンジ系)の小さなボトルを取り出し、棺の中の花々にふりかけたのです。そして、彼女のおでこにそっと人差し指を這わせ、愛おしそうに彼女の前髪を整えるしぐさを見せました。
その様子を目にした瞬間、現実では何があったにせよ、Kちゃんはひとりの男性に愛されたまま旅だったのだということが確信できて、なんだかとても安心できました(^▽^)
正直、葬儀で飾られたお花も仏教も、キリスト教系の学校に中学から大学まで通い、アロマと芸術を愛した彼女にとっては、今回の葬儀は彼女のセンスとは程遠いものだったかもしれません。
でも、「ひとりで逝く」とはこういうことか、と改めて感じる事が出来たという意味では、Kちゃんは私に何も語らずとも多くのことを残していってくれたような気がしています。
まとめ
今回のKちゃんの葬儀では、本当にいろんなことを考えさせられました。
彼女自身のことのみならず、自分自身の事を特に深く考えるようになったかと思います。
自分がこの世から卒業する時、それはいつ訪れるタイミングかわかりませんが、後悔だけはしないよう、これからも前向きに準備していこうと思います。
いつか天国でKちゃんと再会した時に
「どう?満足のいく終活出来た?( ̄ー ̄)ニヤリ」
と聞かれて恥ずかしくないように、きっちり「おひとりさまの終活」を極めなくては♪(n*´ω`*n)
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